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Stage 3 [思い出]

「ちえ」と名乗った女性は1人出来ていたらしが、先ほど声をかけてくれたサイトで知り合った女性とも知り合いだったらしい。
彼女がホールの人ごみに消えていくのを眺めながら、タバコに火をつける。

まだ隣に残って座っている「永遠(とわ)」と名乗った女性が話しかけてきた。
薄暗くクラブミュージックのガンガン流れる中で、人ごみを眺めながらただ機械的に彼女の質問に答えていた。
「永遠」は身長はそれほど高くなく155~6cmくらいで小柄。
ヘアスタイルはショート。
声が低めで女性の割には体つきがしっかりして見えたのは、学生時代にソフトボールをやっていたせいだけではなく、ホルモン注射をしていたからだとわかるまではそう時間はかからなかった。

永遠との会話はそんなに珍しくもなく、いたって誰でもまずは話す内容だった。
誰ときたのか?   1人で来たのか?
パーティーは初めてなのか?
どこで知ったのか?   etc

大体の会話に終わりが見え始めると彼女は帰る事を永遠に告げた。
「そろそろ、私帰りますね。」
「帰るの?」
「うん、ちょっと疲れたしね。それじゃ、またいつかの機会に。」
彼女が席を立ってロッカーに預けてあるカバンを取り出しているところに永遠がやってきた。
「この後、予定とかあるの?」
彼女は帰るだけだというと、あと友達2人と3人で来てるからカラオケでも行かないかという事だった。
その時、彼女は断らなかったのだろう。
その誘いを受けて4人でカラオケボックスに向かった。

カラオケボックスで彼女は1人で少し離れたところに座り、自分では数曲しか歌わず後は3人の歌を聞いているだけだったが、その時間は彼女なりに楽しんでいたようだった。
カラオケルームのインターホンが鳴り終わりの時間を告げる。

4人はエントランスでそれぞれ携帯の番号やアドレスを交換した。
あっさりと教えることが出来たのは、ビアンやFTM(フィメイル to メイル)といっても女性だという安心感からだろう。








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